『Round& -SPRING COLLECTION-』作品リスト

2024.4.20(sat)-21(sun) 


■ 作品リスト/ Works List (制作年)

①Round& (2017)

②龍 / Dragon (2024)

③World (2022)

④猫 / Cat (2024)

⑤森羅万象 / All things in nature (2023)

⑥Lord of the Rings (2017)

⑦Gears (2023)

⑧回想 / Recollection (2023)

⑨躍動 / Dynamism (2023)

⑩Remenber (2015)

⑪アトランティス / Atlantis (2024)

⑫春夢 / The Spring Dream (2024)

⑬フラクタル / Fractal (2024)

⑭環-めぐる-(SPRINEG COLLECTION Ver.) / Circulate (2023)

⑮素数 / Prime Number (2024)


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■ 作品解説

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①Round& (2017)

円滑に回る世界はない

しかし季節は節目を巡ると必ず再生する

何かを探すことでしか回せない車輪

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〈作品解説〉

高校時代のかけがえのない友人に向けて贈った作品です。制作テーマは輪廻転生や季節の巡り、人とのつながり、めぐりあいなど。頭の中にある歯車が回転する様子をそのまま作品にしました。歯車の型は発泡スチロールをカットした手作りの模型です。それに墨をつけてスタンプとして模様を作りました。

今でもこの作品に込めた『Round&』をコンセプトを大切に活動しています。

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②龍 / Dragon (2024)

天に昇り、雲と雨を祓い、地上に恵みと安寧をもたらす。

あらゆる災と哀しみから人々を守り続ける。

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〈作品解説〉

今まで様々な「龍」を揮毫してきましたが、本作は龍という<存在>にフォーカスして制作。枠に収まらないスケールと守り神としての印象を意識したデザインになっています。

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③World (2022)

調和が取れた、

その瞬間に世界は輝く。

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〈作品解説〉

この作品は11th monocrome展-愛-に出展した「Brave New World」(2021)のアナザーカット。

「アダムの想像」からインスピレーションを受け、手のモチーフと「world」の文字が触れ合って光が輝いている様を書いています。

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④猫 / Cat (2024)

猫のすることは、すべてゆるされる。

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〈作品解説〉

猫を愛する友人たちに捧げます。

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⑤森羅万象 / All things in nature (2023)

「環」の調和の琴線に触れたとき、森羅の精霊が蘇る。

激動の時代、混沌とした時間、

その中で万象に向かって、燦々と生命が逞しく宿る。

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〈作品解説〉

墨で書いた文字(所属している書道会の月例手本参照)の上に緑色のアクリル絵の具。作品中央から生命力=精霊が弾けるイメージ。うまく白の余白を残しつつ3色のバランスを取りました。

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⑥Lord of the Rings (2017)

1人で孤独に永遠に生きるより、

あなたと1度の生を分かち合いたいのです

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〈作品解説〉

J・R・R・トールキンの『指輪物語』からインスパイアされた作品。2016年のmonochrome展-元気が出る書道-に出展。

制作当時から筆を使わずに墨で遊ぶことに興味があり、本作も様々な技法を試している。薄墨を霧吹きに入れて紙に吹いたり、ペットボトルのキャップを型として使ったり、ビー玉を転がして模様にしたり、文字を割りばしで書いたりなど、遊び心を意識した作品です。

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⑦Gears (2023)

再生と再々生。

巡ってきた季節。今ここでも何かを探し回る事しか出来ない。

ただそれを人生だと肯定する蛍のような小さな光だけが欲しかった。

ただ、今はそれが眩しく煌々と輝いている。

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〈作品解説〉

2023年syndicate cafeで開催した個展『Round&』で制作した作品。2017年制作のRound&のシリーズ作品。

発泡スチロールで歯車の型を作り、実際に下の方は模型を回転させて模様を描きました。7年前の「Round&」と違うのは、中央にゴールドのスプレーとテープを使っていることです。

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⑧回想 / Recollection (2023)

それは、どちらか。

逆修の碑か、それとも甦りの光芒か。

inspired by Walter Bendix Schoenflies Benjamin: ヴァルターベンヤミン

※逆修の碑...亡くなるものに対する墓標

 甦りの光芒...蘇ったときなにかの役に立つもの

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〈作品解説〉

1st個展Round&で「メインヴィジュアル」の対作品として制作。

私自身制作をする際に、頭の中にあるイメージを紙に起こしていくことが多いため、頭の中で具体的な形にまとまっていない回想中の様を作品にしました。

過去を黒い墨、黄色や緑を現在や未来に見立てて自分自身の回想として表現しています。

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⑨躍動 / Dynamism (2023)

いまこの一瞬一瞬が泡のように弾け散るとするなら、瞬き(まばたき)は必要ない。

心が砕け散る様な。常に全ての瞬間が「躍動」で、無上な魅力が、感情と理性を惹きつけてやまない。

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〈作品解説〉

「躍動」の文字の上に泡をイメージした白いアクリル絵の具を乗せています。題材の名の通り、動きを出すことをテーマに、白い泡は出来るだけ弾けている動きを意識して配置しています。

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⑩Remenber (2015)

愛しさを回想できる範囲の尺度で測ったら。

そこに何が立ち現れてしまうのだろうか。

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〈作品解説〉

2015年に制作したデッサンに加筆。新作「アトランティス」、「回想」のリンク作として展示しています。

作品の人物は男性か、女性か。

目を閉じて回想しているのか、祈っているのか。

皆さんの解釈で捉えていただければ幸いです。

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⑪アトランティス / Atlantis (2024)

想像の世界を海の底で保存出来るなら。

すべてを、一気に解放してみたい。

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〈作品解説〉

アトランティスはかつて滅びたと言われる帝国。まさに過去の記憶もアトランティスではないかと捉えて、「憶」の文字から光の泡が解放されている様を描いています。海底を意識した背景のマリンブルーと、泡を彷彿させるホワイトをコントラストにしています。

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⑫春夢 / The Spring Dream (2024)

春は短い。瞬きしていたら幸せな時間は過ぎてしまう。

春と夢の中が幸せなら、現実の方から来ればいいのに。

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〈作品解説〉

※春夢(しゅんむ)...春の夜のはかない夢のこと。

幸せな春の夢こそ現実になればいいのに。そんな願いから言葉の儚さと対照的に力強い筆致を意識した作品。ローズカラーのアクリル絵の具で文字を書き、上からゴールドスプレーで色付けをしています。

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⑬フラクタル / Fractal (2024)

似たもの同士。

似たものの周りに集まるということ。

構造が安定しているものは美しい。

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〈作品解説〉

※フラクタル... 図形の部分と全体が自己相似(再帰)になっている幾何学の概念のこと。

本作のテーマは似たもの同士。書道には色んな書体や書き方があるけど、皆文字の起源は最初一つだった。同じように言葉も人類もすべてが似たもの同士でフラクタルということ。

これをシェルピンスキーのトライアングル(ギャスケット)の形をモチーフに表しました。

作品に貼られている漢字は2007年以降自身で書いた文字です。文字が模様に見えるように配置してカラーを入れてます。

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⑭環-めぐる-(SPRINEG COLLECTION Ver.) / Circulate (2023)

壮大に眩しく緑青に煌めいて環る。

眼前で始まり、果てしなく万里を環っていく。龍の様に。

それは不可視な引力とともに世界を巻き込み続ける。

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〈作品解説〉

もともとは3枚で一作品(幅は約5m)今回は一番左の作品を一部SPRINEG COLLECTION Ver.にアレンジして展示しています。

大きな筆で書いたように見えますが、通常サイズの筆で少しずつ書き足して、ダイナミックに見せています。金のホログラムとエメラルドカラーのアクリル絵の具がアクセント。

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⑮素数 / Prime Number (2024)

この世界の3割くらいは割り切れないことで出来ている。

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〈作品解説〉

※素数... 2 以上の自然数で、正の約数が 1 と自分自身以外割り切れない数字のこと。

1から100までの素数の見つけ方(エラトステネスの篩)をテーマにした作。100までの数字のうち25は素数の。この世界も3割が割り切れない事象で出来ていることを可視化している。黒板とチョークを意識したデザイン。

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